ねこブログ

学校でいじめられている君へ

*この記事は、2007年に書いたブログ記事の転載になります。

学校でいじめられているきみ、ケストナー著「飛ぶ教室」という本をぜひ、読んで欲しい。学校の図書室にあるはずです。なければ、近所の図書館で探してください。必ずあります。

きみが、登場人物のウーリ君の生き方に共感できれば、大いに結構。自分をしっかり持つ、自分をしっかり認めてあげることの大切さがわかったってことです。勇気を持つことの大切さがわかったってことです。

打たれても打たれても倒れないボクサーのようにしぶとくなってください。

そして、自分よりも弱い立場のものには、優しくしてあげてください。きみが勇気と優しさを持った大人になったとき、今のちょっぴり暗い世の中を変える原動力になるはずです。そんな世界を想像すると、とてもわくわくしてきます。

「人は悲しみが多いほど、人には優しくできる」かどうかは、その人次第。悲しみに押しつぶされてしまう人もいます。悲しみをばねにして、優しく強い人間になれる人もいます。どっちに転ぶかは、全て自分次第です。誰がなんと言おうと、言い訳できないんです。厳しいかもしれませんが、本当のことです。

だから、自分をしっかり持って、しぶとくなってくださいね。

ひょっとすると、きみは大人が信用できないのかもしれないね。そんなきみに残念なお知らせです。

世の中の大勢の大人は、確かに信用できません。しかも大人の世界のいじめはもっと悲惨です。

そんなことを言われてしまうと、生きることや大人になることが嫌になってしまうって?

心配要りません。黙っていても、何もしなくても、お腹は勝手にすきます。お腹がすけば、何かを食べる。そして眠くなって寝る。そんなことを毎日繰り返しているうちに、自然に大人になっていきますから。

大人になってしまえばこっちのものです。しぶとさと優しさを武器にして、きみは厳しい大人社会で勇敢に立ち向かえるはずです。でもまあ、とりあえず、今はそれくらいの心構えだけ持っていればいい。きみが大人になるには、まだまだ時間がたっぷりあります。まずは、”今”をしゃんとして生活することです。

私自身は、なにを隠そう、きみが信用できない大人の一人かもしれません。けど、そんな私も、今、こうしてきみに語りかけている。いつも世の中のためになにかしているわけじゃないけど、こうしてきみに話すことで、君自身がなにかをつかんでくれたら、生きるヒントをあげられたら、きみが元気がだせたなら、それは私のひとり言に近いメッセージが役に立ったってことです。きみ一人でもいいんです。私が生きてきた意味があるってもんです。

最後に「飛ぶ教室」の前書きにあるケストナーの言葉をきみに贈ります。

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じっさいは、人生のきびしさは、お金をかせぐようになってからはじまるのでありません。お金をかせぐことではじまるのではないし、それにつきるものでもありません。

わたしはこんなわかりきったことを、みなさんに「そんなこと知ってらあ」とおおいにじまんしてもらおうと思ってわざわざいうのではありません。とんでもありません。またわたしはなにも、みなさんをおどそうとしてこんなことを強調しているのでもありません。ちがいます、ちがいます。

みなさんはできるだけ幸福であってください。わらいすぎて、小さいおなかがいたくなるくらいにゆかいにやってください。ただ、決して自分をごまかさないでほしいのです。また、決してごまかされないでほしいのです。たとえ不運にみまわれても、それをしっかりと見つめることを学んでほしいのです。うまくいかなくても、へなへなとならないでほしいのです。ついてないときでもおちこまないでほしいのです。しゃんとしてほしいのです。不死身になってほしいのです。

ボクシングでいえば、打たれ強くなってほしいのです。なん発パンチをくらってもぐっと辛抱できるようになってほしいのです。そうでないと、人生で受ける一発のアッパーでグロッキーになってしまいます。みなさん、人生のグローブはばかでかいですからね。そのかくごができてないと、一発くらっただけで、あとは小さいハエがせきをするだけでいいのです。もう長々とダウンしてしまいます。

だからこそしゃんとするんです。不死身になるんです。わかりましたか?このいちばんかんじんなことがのみこめれば、もう半分勝ったようなものです。だって、そういう人は、ありがたいパンチをちょうだいしても、おちつきはらって、勇気とかしこさという、だいじなふたつの長所を発揮できるからです。

それからですね。わたしがこれからいうことを、よくおぼえておいてください。賢さのない勇気は他人のめいわくです。勇気のないかしこさなんてばかみたいです。世界の歴史には、おろかな人たちが勇ましかったとか、かしこい人たちがおくびょうだったというような時代がたくさんあります。でもこれはまともではないのです。

勇気ある人たちがかしこくなり、かしこい人たちが勇気をもったときはじめて、いままでまちがって考えることが多かった人類の進歩が見られるようになることでしょう。

(E.ケストナー「飛ぶ教室」まえがき、その2より抜粋)

ABOUT ME
Mark
1970年生まれ。東京都出身。Kozyの夫です。 趣味は、旅行 キャンプ ドライブ。猫が好きです。いつか、マチュピチュ イースター島 エジプト(ピラミッド)に行きたいです。 2021年6月、それまで勤めていた会社を早期退職し、現在、無職。(療養中) Kozyの会社のHPの場を借りて自身のブログを復活させることにしました。 リハビリがてら少しずつ更新していきます。過去のブログは こちら