Kozyです。
現在契約を進めている旭川市築４３年一棟マンション（２号物件）の仲介会社の社長さんから先ほど電話があり、「ちょっとご相談がありまして。。。。」と少し暗い声で切り出されたので、なんだか嫌な予感がしました。
「いやあ、実は、売主さんが、契約直前の今になって、先日発生した３０２号室の漏水について、補修工事後の保証期間を２年間から１年間にしてほしい、って言ってきているんですよ。いかがでしょうか」
この物件は、私が内見した直後に３０２号室（空室）の天井から水が漏れていることが発覚し、売主さんの費用負担で、補修工事（屋上のコーキング工事）をしてもらうことになっていました。旭川市の雪解けシーズンにならないと工事ができないため、決済引き渡し後に売主さんの責任で工事を行う、という話でした。
ただ、買主である当社としては、どのような工事内容かわからないため、３０２号室の漏水の件についてのみ、契約不適合責任を付けてもらえないか、と打診してみました。そうしたら、売主さんはOKしてくれただけでなく、２年間保証します、と言っていただきました。
一般的に、不動産取引においては、売主さんが宅建業者の場合、買主が宅建業者でなければ、２年間の契約不適合責任の義務を負います。これは、特約を付けて免責しようとしても、宅建法上、その特約そのものが違法となるため、免れません。
それに対して、売主さんが宅建業者でなければ、売買契約書に契約不適合責任の免責を盛り込むことは違法ではないため、ほぼ間違いなく、その条件を入れてきます。
この物件については、漏水が発覚した後、（宅建業者ではない）売主さん自らが、補修工事後の保証期間を２年間にします、と言ってくれたので、（とても良心的な売主さんだなあ）と思っていましたが、契約直前になって、保証期間を１年にしてくれないか、と言ってきたわけです。
仲介会社の社長さんいわく、「売主さんは、今、別の物件の購入を並行して進めていまして、その契約内容に、設備や配管等の品質については、３か月間のみ契約不適合責任を負う、という内容があったらしいんですよ。それで、あれ？２年間は長すぎるんじゃないか？ってことで顧問弁護士に相談したら、そりゃあ売主が個人で契約不適合責任を２年を付けるのは常識ではありえない、って助言されて、さきほど私に「なんとか１年間に短くできないか」って電話があったんですよ」という話でした。
ただ、それに対して、当社としては、３０２号室の漏水以外については、契約不適合責任免責でOKだと回答していますし、契約直前で発生した漏水の工事についてのみ、保証期間を設けてほしいとお願いして、売主さん自らが「それじゃあ２年間保証します」と申し出て、双方が合意した上で契約を進めているわけです。なので、今さら「はい、わかりました。保証は半分の１年で構いません」とは言えません。
仲介会社の社長さんにそのように伝えると、「確かにそうですよね。それじゃあその旨、売主さんに伝えますね。なんだか契約直前になって、このような話が出てしまって申し訳ありません」と言ってくれて、その数時間後、再び社長さんから電話があり「売主さんに話をしたら、「やっぱり契約日直前だから今さら無理だよなあ」とおっしゃっていて、ハナからダメ元で話をしたようでして、結局、元通り、３０２号室の漏水については、２年間保証します、ということになりました」とのことだったので、ほっとしました。
今回のやり取りは、幸運にも？スピーディに解決しましたが、こと不動産取引においては、契約直前になって売主が「今の条件では売れない」と言ってきたり、決済日当日になっても、物件の抵当権が抹消されていなくて、決済ができない、とか、契約日当日に、全く聞いていなかった告知内容を伝えられ、告知書にサインしてくれ、と言われたり、いろんなことがおこりがちです。それがもとで結局売買が成立しなかった、ということも珍しくありません。
実際、当社も旭川市内の物件の買い付けをすでにいくつか入れていますが、買い付けが通って契約を進めていた段階で、売主が「当初の契約条件では売れない。他に買い付けが入ったので、より高い金額を提示してくれたほうに売る」と突然宣言した案件がありました。当社としては、あまりにもひどい売主の対応に「こんな売主から買いたくない」と買付競争から降りました。
その時の仲介会社（元付、両手仲介）も、きちんと売主にグリップできておらず、買主の都合などそっちのけで、売主の意向ばかり汲んで、子供の使いみたいな事しかできていなかったので、（こんな仲介に百万円以上の仲介料を払うのもバカバカしい）と思ったのも事実です。立地が良くて魅力的な物件だったので、後ろ髪を引かれる思いでしたが、仕方ありませんね。
さあ、気を取り直して、２号物件の契約に集中したいと思います。
